朝5時00分起床
気温華氏68度、摂氏20℃、足の、親指の巻き爪が肉にくいこんで痛いという家人が、どこかで腕の立つ、プロのネイル(?)技術者が、小岩にいるということ聞きつけていたらしく、
「あなた、きょう、ヒマか」と、起きがけに訊く。
「ヒマじゃない。しごとだ」
そういって、よっこらしょ、と小声でそーっと寝床を離れようとしていたら、「とーきょーまで行く」という。
<ありゃ、りゃ、起こしちゃったか>そう思っていたら、
「どうやって行くか、教えろ」とことばをたたみかけてきた。
「電車で行くか、歩いていくか、タクシーで行くか、いろいろある」と応えると、
しばらく考えて、「あなた運転する、それが一番いい」という。
<そりゃ、そうだ>なれない電車じゃな。わたしにも納得するところがあったので、
「こんどの日曜日なら、おいらがドライバーできるよ」と云うと、「きょうがいい」という。
「きょうは仕事がいそがしいから休めない」と断る。
すると、東京に住む妹に電話して、これから東京行くから迎えに来れるかと
まくしたてていた。しばらく、聞き耳たてていると、電話のむこうで、東京は今、大雨が降っていて危ない状況だといっているらしく、道路が冠水したり、電車が遅れるかもしれないなどと話しているようです。それで、電話が終わって、
「巻き爪に、汚れた水が東京でかかるかもしれないから、きょうは止めた」という。
<そりゃ、そうだ>ふたたび、わたしにも同意するところがあったので、
「そのほうがいいよ」と云うと、「じゃあ、こんどの日曜日につれてって」と。
とりあえず、その結論で起きがけの家人の衝動がおさまった。
ところで、足のその巻き爪、ズキズキするほど痛いのかと訊くと、「さっき、椅子の足に親指をぶっつけたら、すごく痛かった」という。<さっき?><いつ?>
ふーん、<トイレにでも起きたのだろうか>そう訊いてみると、夢の中で、ずっと、ズキズキ脈打っていたのだという。夢の中で?ずっと?
・・・・・どうやら、わたしが、そーっと寝床を抜け出して仕事に出かけるのがご不満だったらしい。元気に起きてスタスタと朝食の準備に台所へ行ってしまった。