朝5時00分起床。
昨夜は、遅くまでかかって内田樹の「おじさん的思考」を読み、読了。軽いエッセイ風に書いていますが、中味は鋭いですね。70年代の全共闘世代の眼差しが、わたしにも思い当たるところがあって、面白かったです。
書名の「おじさん的思考」は、年齢でいいますと50歳前後、団塊の世代より、ひとまわり若い世代の体験談といったところですね。マルクスの哲学を社会的認識方法としてお勉強した貴重な世代ということでしょうか。絶滅危機に瀕したこの思考方法を、さらに若い世代にむけてメッセージしております。
終章の夏目漱石の「虞美人草」の捉えかたは、むっふふふ、さにあらんや、などと感嘆しました。明治のインテリは、維新の人々を前近代の過去の人々として切り捨てながら、近代へと突き進むんでしょうかね。漱石さんのつくる人物像がオモシロイ。無から作り出す人間像、その理念型に想像された人物たち。おじさんたちはそういうものを信じておじさんになってきたのだが、いまやそう言うものは打ち捨てられようとしている。・・・しかも、そういうのに代わるものがしめされないままに・・・・。