朝5時00分起床。
晴れたいい天気ですね。一週間ぶりくらいの太陽でしょうか。
きょうは、海辺の職場からは、東京湾の奥まで、見えます。横浜・ラウンドタワー、ベイブリッジ、鶴見つばさ橋、川崎・火力発電所の煙突、海ほたる、それに羽田か、お台場あたりの三角の建造物やビル群、房総半島のつけねの発電所煙突など、そうとう遠くまで視界が開けていますね。
目の前を大型貨物船が、コンテナ満載で数多く運行しています。風は、北から吹いて、白波立っていますが、漁船が出れないほどではありません。湾上には、大小さまざまな作業船が見えています。夕べは、松本清張原作のテレビドラマ「黒皮の手帳」を見てしまいました。サスペンスドラマをまるまる小一時間見るのは久しぶりです。その後、内田樹さんの本を読みながら寝入ってしまいました。
尾崎 翠の作品に「第七官界彷徨」という小説がありますが、房総半島の山並みを見て今朝は、ふと、それを思い出しました。不思議なことですね。
昨夜見たドラマも、内田さんのエッセイとも、何の脈絡もない尾崎の作品が、魂の中から浮かび上がってきたのですから、不思議といえば不思議ですね。帰宅したらさっそく手にしてみたいと思います。昼飯くって、昼寝したら、思い出しました。・・・房総半島を見て記憶によみがえってきたのは、尾崎翠の「無風帯から」の冒頭の山の描写でした。骨のような寂寥感を漂わせる稜線というやつ。
また、先の「第七官界彷徨」を無意識に思い出したのは、エロスがキーワードだったようです。夕べは、内田樹さんの「教育現場のエロス」について読んでいましたので、尾崎翠の「コケの恋愛」まで、わたしの想像力は飛翔したみたいですね。内田氏によれば、恋愛感情を励起する<知の欲望>の現場が「教育現場」だそうですから、その<知の欲望>を、さらに<欲望>する人場には、エロスが醸成されるというのが氏の論でしたので、原初的なコケにたとえて恋愛感情をしるした尾崎のこころが寄せる原生植物の上で、もやっているエロスの初期感情を思い出したのでした。
先生と女学生の恋愛とか、セックスを代償に学位を授けるとか、とかく教育現場で悪者扱いされる恋愛問題について、まじめな考察を加えたこのエッセイは、なんと面白いことか。・・・ただ、なんの脈絡もないと思ったなにげないそのものの先に<第七官界>があるということでしょうか。