朝3時30分起床
眠気がとれないので二度寝、けっきょく6時40分に起床しました。ゆうべグリーンなんとかという死刑囚の映画を、テレビで見ちゃったので、ねむ、ねむの朝です。

奇跡を通して心の中の真実を見てしまうという、実際には不可能なことを、可視化したようなドラマでした。まるで小説の地の文で描かれる心理描写を、他人の心の中を、<奇跡>として第三者が見れるというSF仕立てなのですが、こういうのは日本映画ではなかなか作れないだろうなと思いました。幼児虐殺の濡れ衣を着せられた放浪の黒人が、偏見と差別の中で、陪審員から死刑を票決され、電気椅子に座るのですが、神がこの黒人に奇跡の力を与えて、死刑執行にあたる刑務所員にことの真実を以心伝心で告げるというストーリーなのですが、陪審員の票決がくつがえることなく執行されるという話。黒人死刑囚は、この世の残酷を見、官吏は法の絶対になすすべなく、人々は救われることのない非業を生きている、そういう構図を定式化したような映画でした。それから「転換の書 メ・ティ」を読みました。オルテガの「大衆の反逆」から、いっきに「造反有理」に思考が飛んだようで、すっちゃかめっちゃかな、真夜中でした。
夕べ読んだのは、「起こりうる戦争について」でしたが、ニ・エン(スターリン)を批判したものか知識人(哲学者)を批判したものか、よくわからない内容でした。ただ、読み終えて脳裏に浮かんだのは、ポードレールの詩句でしたね。「思イ起セ、時ハ貪欲ナ賭博者ニシテ、ぺてんヲ弄セズ、打テバ必ズ勝ツ! ソレガ掟デアルコトヲ」(時計)・・・世界の心臓を突き刺すのは、世の成り行きを断ち切る大衆でなく賭博者となった群集である。あの死刑になった黒人が手渡しで渡した<持続>の<具現化>した果てることなき命は願望にしかすぎない。それは親しきものたちが、つぎつぎに死んでなお、自分は行き続けていく死を許されない状態,それは魂の持続の願望に過ぎない。現実の大衆は労働者でなく、みな賭博者にされているのが昨今である。戦争は、この賭博の精神者たちによって支持される。
映画の案内:http://www.gaga.ne.jp/movie/greenm1.html